日本介護食品協議会

研究発表要旨

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第19回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会(岡山)

演題:ユニバーサルデザインフード(UDF)の官能評価と物性値の比較 -UDF試食会による検討-

【目的】

協議会では会員企業のユニバーサルデザインフード(UDF)への理解を深めるために試食会を開催している。第2回目となった昨年は、区分1〜4の中で数が最も多い区分3の製品について官能評価と物性値の相関を確認することを目的とした。

【方法】

①官能評価:委員40名(23社)が区分3の製品25品(15社、主食5品、おかず12品、デザート8品)を評価した。あらかじめ区分3の物性規格中央値の「かたさ」に調製したコントロールゼリーを基準に、「かたさ」を-3〜+3に点数付けした。②相関解析:解析ソフトJMP9を用いて官能評価と「かたさ」物性値の相関を解析した。

【結果】

①官能評価:18品がコントロールより「やわらかい」と評価された。主食、おかずは評点の分布が広いことに対し、デザートは評点の分布がやや狭く、区分3の中でも「やわらかい」と評価された。②相関解析:「かたさ」の官能評価と物性値の相関は全サンプル間では見られなかったが、ゼリー系の均一な構造の製品は官能評点のばらつきが小さく、デザートに限定すると官能評価と物性値に正の相関傾向が見られた(P<0.1)。

【考察】

①官能評価ではコントロールゼリーを使用することで、ある程度評点のばらつきを抑えることができたが、複数の具材が入っている、粒状の組織が含まれるなど、不均一な構造を含む製品は喫食箇所により「かたさ」が異なるため、官能評点のばらつきが大きかった。また、②相関解析において不均一な構造を含む製品は官能評価と物性値の乖離が見られた。これらの結果から、特に不均一な構造の製品についてより適切な評価方法、評価項目、コントロールの設定などによって、官能評価の精度を高める方法を検討していく必要があると考えられた。今後も継続的に試食会を開催し、各企業の評価基準を合わせていくことで、利用者が製品を選択する際に、UDFがより製品の「かたさ」をイメージしやすい規格となれるよう発展させていきたい。

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